老人ホーム入居と仲裁契約

アメリカでは、何らかの取引に入ろうとすると予め仲裁契約(中には、50ページのものも)が示されて、それにサインを求められることが少なくない。
NPRは、老人ホーム入居契約について、その例を記している(8月21日)。

それによると、オバマ政権の下では、老人ホーム入居契約について、予め仲裁契約のサインを求めることを禁ずる行政令が出されていた。
ただし、老人ホームなどの業界を代表するAHCAが裁判所に仮差し止めを申立てて、認められた状態で、執行は止まっていた。

トランプ大統領になって、この行政令を早速新しい別のルールに取り換えるという。
今度は逆に、「仲裁契約をサインしないと、入居させない」、そういう老人ホームが増えることになろう。
仲裁契約の、このような半ば強制には、無論賛否両論が喧しい。

アメリカの商工会議所の法制委員会のような所の人は、早速「これはいい!」と褒め言葉を吐いている [1]。

トランプ大統領が提案しているものには、2つのポイントがある。
1つは、契約は判り易いもの(plain language)であることと、第2に、入居者が内容を理解したことである。

しかし、老人ホーム業界は「意味が漠としているところがある…」として、必ずしもトランプ大統領の契約案に満足していない。
一方の全国老人財団のようなAARP Foundationの法律顧問も批判している。
「平易さ(plain language)は、必ずしも公平公正を意味しない…」。

全国17州の州務長官と31人の連邦上院議員(すべて民主党)は、トランプ大統領に対し、新ルールを実施しないよう申し入れている。
AARPの法律顧問は更に付言している [2]。

「公開される訴訟と違って、和解は密室の中で行われ、秘密のヴェールに包まれている…予めその施設がいいかわからないから、このやり方は、尚更のこと、問題だ…」。





[1] そのコメント訴した人が言うには、「この手の仲裁契約は、取引に入るときに同時に結ばないと…そうでないと、問題が起きてから仲裁契約をしようとしても、大変だ!」

[2] トランプ政権のプランが実施されたら、オバマ政権の下での数よりも、もっと訴訟事件が増えるだろう、とも言っている。
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