アメリカ共和党の秋の陣

トランプ大統領が、自らの属する共和党(その連邦議会)の権力者に対し、相次いで喧嘩腰になっている。
中でもメディアが大きく採り上げているのが、議会上院の共和党代表であるマコーネル(Mitch McConnell)氏との間である。
この処、互いに「口を利かない」状態にあるという。

事の起こりは、共和党も大統領も鳴物入りで公言していた例の「オバマケアを廃止し、代りのものにするから…」という法案が、上院の共和党内の取りまとめが、たったの1票、マケイン議員(John McCain)がノーを出し、イエスを投じなかったために巧く行かず、不成立に終わったことにある。

そこでトランプ大統領は、マコーネル氏を責めた。
無論表向きには、ホワイトハウスもマコーネル氏側も、そこに波風が立っているなどということは言っていない。

2人の間を損うものは他にもある。
トランプ大統領は、お気に入りの州(選挙区)アリゾナ州フェニックスに今週出かけたが、同州選出の上院議員の上席が、前出のマケイン議員であるところ、若手議員の方のフレイク(Jeff Flake)氏が、また「大のトランプ嫌い」と来ている。
トランプ大統領の方も、フレイク氏を公けにこき下ろしただけでは物足りず、さっさと、同じ共和党の候補を対抗馬として出してきた。

そうなると、ご本人のフレイク氏は勿論、マコーネル氏も穏やかではない。
上院の与党代表議員ともなると、共和党の現職議員の面倒(再選)を見ることが、上院での法案の処理に次いで大事な仕事である。
トランプ大統領による反フレイク氏運動が、マコーネル氏の勘癖に触れたことは言うまでもない。
殊にフレイク氏は、共和党内でも、「アリゾナ州を任せておいてよい人物」、と見られているだけに、尚更である。

そのマコーネル氏の夫人は、チャオ(Elaine Chao)という中国(台湾)系アメリカ人である。
彼女はとに角、すべての内閣を通して女性で最初のアジア系閣僚である。
G.W.ブッシュ大統領時代の労働長官が、今のトランプ大統領の下では、交通長官である。

1950年代初め、8歳の彼女は、27歳の母と2人の妹らとともに、貨物船に便乗する形でアメリカ、ニューヨークへとやってきた。
今は90歳になる彼女の父は、ニューヨークで働いて成功者となっている。
その彼女が、1993年(彼女はMt. Holyoke女子大学を出て、共和党系の活動をしていた)に、前夫人と離婚したマコーネル氏と出会って結婚する。

そのマコーネル氏についてメディアは、国政に携る人の中で最も人気度が低いとしている [1]。

大統領も議会も9月になると、短い日数の中で多くの懸案(税法、メキシコとの壁などに関係してくる歳出法など)を片付けねばならず、この先、双方とも中々大変である。





[1] 2017年8月24日のHarvard-Harries Pollによるものとして、19%が積極的な評価で、トランプ氏の41%より低いとしている(thehill.com)
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