未だに大きい白と黒の差

アメリカ社会での貧富の格差が著しい1つの断面として、白人と黒人の間の格差が大きいことを以前採り上げた。
それも、住宅保有率の違いと、もう1つ、どんなところに住んでいるかによって、更に格差が拡大する様を、その際、いわゆる赤線「レッド・ライニング」について、政府自身(連邦住宅庁(FHA))が、1930年代からそうした線引きを行っていたことを紹介した。

南北戦争が終わり(北軍、連邦軍の勝利で)、北の共和党政権による改革が、10年ほどの間、南部州で行なわれた(たったの10年間しか続かなかった)。
いわゆるReconstruction Eraである。
奴隷解放に始って、北による自由人局が、奴隷解放から間もない一文無しの黒人らに、それこそ衣食住から、働くことの世話まで手を貸した。

中でも南部各州に初めて黒人らのための公立学校制が敷かれた。
北の連邦政府も、彼らの教育に力を入れたが、何よりも黒人ら自身が、教育の重要性を十二分に理解していた。
それから、もう150年近くなろうとしている。
今では黒人らの大学進学率も、白人よりは下だが、HBCUと略されている黒人中心の大学を主として、相当上がってきている。

ところが、シカゴ・トリビューン紙は、なぜ黒人だけが四苦八苦しているのか、「大学は出たけれど…」の嘆き節なのか、をセントルイスの連邦準備銀行による調査を元に伝えている。

1992年から2013年の20年余りの間に、白人大学生の資産は平均して86%上昇しているのに、黒人のそれは、その間に55%減少したという。
理由として4,5挙げられているのが、第1に、彼らはそもそも大学進学時に金銭的に無理をしている(奨学金ローンの負担が大きい)。
卒業後も、その返済負担が、より重くのしかかり、結婚、住宅購入、貯蓄が、いずれも時期が遅くなる。

その反面で、彼らは貧しい家族の面倒を見る形になり、その負担が遙かに大きい(弟妹などの生活から進学までも負担する例が少なくない)。
その絡みでは、白人の学生は、平均して親からの仕送りを多く受けられる率が高い。

上記のような結果として、黒人の(大卒とは限らないが)場合より、白人の自宅が、競売に掛けられる割合はずっと低い。
黒人の場合、4人に1人が、住宅競売の憂き目に遭っている。

以上のような調査結果を踏まえたシカゴ・トリビューンによる提言は、第一に、奨学金のうちのローン部分を減らし、贈与の形を増やす、住宅金融制度も、より黒人らに利用し易いものに変えるなど、である。
画期的な、これは!というようなものはない。
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