トランプ大統領と共和党

トランプ大統領が、法治国の政権運営の「要」となる司法長官に任命したのは、アラバマ州からの連邦上院議員だったセッション(Jeff Session)氏。

任期途中で空白になった上院議員の席は、臨時の措置として州議会の授権を受けた、その州の知事が任命することができる(連邦憲法、修正ⅩⅦ(2))。
セッション氏の後任には、同じアラバマ州の共和党(GOP)から、ストレンジ(Luther Strange)氏が任命されていた。

今回、その補充任期切れでストレンジ氏は、新たに選挙によって州民の洗礼を受ける必要がある。
このストレンジ氏は、トランプ大統領と「馬が合って」いるらしく、同氏の予備選挙のため、大統領がわざわざ現地アラバマ州ハインツヴィルに入った、とNPRは伝えている(9月22日)。

ストレンジ氏は、GOPの主流(Establishment)がサポートしているが、ここに変な「番狂わせ」が出てきた。
アラバマ州の最高裁長官をしていたが、頑固一徹で時代遅れの判決をすることで有名だった、そのために2回もその職を解かれていたムーア(Roy Moore)氏が [1]、予備選挙でストレンジ氏の対抗馬として出てきたからである。

つまり、司法以外の、この政治の世界では完全なアウトサイダーの筈だったムーア氏が、GOPの主流に対抗しようという訳である。
トランプ氏も、そういう意味ではGOPの主流と言うよりは、初めからアウトサイダーとして出馬してきているが。

そのトランプ氏が、今回は正統派であるGOP主流の候補の応援に廻っているところから、選挙でトランプ氏を支えてくれた筈の非主流ベース(それがムーア氏の支持に廻るとして)との関係がどうなるのか、囁かれている [2]。

トランプ氏のお得意のツイートを見ると、大統領は感動詞とともにこうつぶやいている。
「あの男(Big Luther)は大好きよ!忠実だし、よくやってくれる!」
これは、ストレンジ氏が短い上院議員の期間中での投票実績を見ての話しのようである。

NPRが言うのは、このように彼のバックグラウンドとは違う正統派支持に回るのは、トランプ大統領としては珍しく、目立つ動きだという訳である。
しかも、ムーア氏を応援しているのは、GOP主流ではない。
更にもっと右の、例のバノン(Steve Bannon)氏やサラ・ペイリン(Salah Palin)などの各氏である。









[1] 州の最高裁の前庭に古くからずっと安置されていた「十戒」を刻んだ石の彫刻を、州民からの「宗教と国との分離を定めた憲法(修正Ⅰ)違反だとして、除去す両命じた連邦裁判所の命令を拒んだこと、更に連邦最高裁の同性婚を認める判決を争ったことなどが有名である。

[2] サラ・ペイリン女史は、「ムーア氏の支持は必ずしも反トランプを意味しない…むしろトランプ大統領を勝利に導いたPeople’s agendaのサポートに他ならない…」と述べている。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント