「突撃する雄牛」像と「恐れを知らない少女」像

ウォールストリートのメリルリンチ社ビルの前に「突撃する雄牛」(Charging Bull)像が立っている。
それに対抗馬が登場した。馬の像ではない。「恐れを知らない少女」(Fearless Girl)像である。

今年の「世界女性の日」(International Women’s Day)に、やはりウォールストリートに古くからある金融会社State Street社が、この像を建てた。

同社が言うには、世界女性の日のために「各社のリーダー格となって働く、女性幹部一般の重要性を強調して」、立てたものだ。
この「恐れを知らない少女」像は、確かに恐れることなく、勇気を持って突撃する雄牛の方をじっと見つめる。

一方、雄牛像彫刻の作者(Arturo Di Modica氏)は言う。
「少女像は、自分の作品が本来持っていた意味をまるで失わせてしまった…」。

State Street社に対する風当たりが厳しくなる中で、同社は、時あたかも、アメリカ合衆国労働省の調査を受けた結果、5百万ドル(訳5億5千万円)の和解金を支払うことになった。
「何も悪いことはしていない!」と言っている。

一方労働省によれば、「会社のリーダー格の中で、女性幹部への支払と、男性へのそれとの間にかなりの開き(significant differences)があり、かつ黒人と白人間の給与支払いでも、大きな差があった」としている。

これに対し会社は、和解金を支払うことに合意はしたが、何もかも認めた訳ではない。

「労働省の言分との間に不一致があるが、もう6年越しのこの問題に決着を付け、前進するために合意した…」と反論している。
更に「会社は、男女間でのペイの平等を主義としている」ともつけ加えている。

その挙句のウォールストリートの角での恐れを知らない少女像である。
開拓社会アメリカでは、女性の地位は伝統的にうんと低かった。
公職選挙法で、黒人と白人間の差を取り払ったのが修正ⅩⅤ(1865年)であるのに対し、女性に投票権を認めた憲法修正ⅩⅨが出来たのが、1920年である。
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