オレゴンの製林業とトランプ

オレゴン州と言えば、鬱蒼とした樹林とその下を流れる清流を思い浮かべる人がいよう。
早くから中国人が、かなり入っていたが、全米の中でも、特に人種意識が強く、彼らの商店に対する焼き討ちなどがくり返されて、結局今は白人比率が最も高い州になっている。

そこの政治について、特に自然環境問題について、社会探訪のためにNPRが行っている(4月22日)。
NPRの記者が入ったのは、伝統的に青(民主党)の州であるオレゴン州の南西部である。
トランプ氏は、去年の5月に選挙のためそのユージーン(Eugene)地区(選挙区)に入っている [1]。

さて、選挙の結果はどうであったか。
クリントン氏が辛勝したものの、票差は何と554で、前代未聞の接戦だった。
これが、地区の命綱、製林業の盛衰、つまり経済と環境問題にどう係っているのか、NPRの取材の狙いもそこにある。

そこで登場するのが、地元の製林業の会社代表ペイン(Todd Payne)氏である。
彼は、地元の他の同業者と比べると、この数十年間の風雪をまだ巧く凌いできた方である。
無論同氏は、「国(連邦)が、国有林をもっとおおらかに伐採してくれること」、を望んでいるが、そうした希望が、一方通行で通るというわけには行かない。
「野生のオレゴン」とでも言おうか、Oregon Wildという環境保存団体の代表も登場して、喋っている。

「(野生のオレゴンこそ)人間の『生き、働き、過ごす』広大な場を提供してくれる…」。

トランプ氏は選挙演説でこうぶっていた。
「製林業の働き口は、1990年の半分だ。これを元に戻すよ皆さん…ちゃんとやるからね!」。

ユージーンから更に南に1時間ほど行ったところにあるローズバーグの町。
かつてそこが、「全国製林業の都」(timber capital of the nation)と呼ばれてきた。
地元出身の下院議員デファジオ(Pete De Fazio)氏は、そこで製林会社が1社また1社と潰れるのを30年以上にわたり見てきた。
「自分も環境重視の方なんだけど、彼ら(enviros)にかかると、木材動物(timber beast)と呼ばれてしまう…」。
そう嘆く彼は、昨年11月の選挙でも危なげなく勝利している。
しかし、自分は折衷論者で、トランプ氏のメッセージは、この地区の特性に集中していて「良かった」という。

「あとはトランプ氏が、選挙向けに喋ったことを真に実行するかだ…そうすれば、この青い州の一角が、崩れるかどうかの徴候となりうる…」。




[1] 筆者も20数年前にユージーンへさらに奥でMcKenzie川のほとりにあるLoloma Lodgeと言うところに、(仕事で)入ったことがある。
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