脅迫などが相次ぐアメリカの政治家活動

アメリカ社会は「怖い所だ…」式のことを何回か書いた。
その中でも、政治家(連邦議会議員)などは、不特定多数、つまり未知の人々と多く接する機会があるから、特にリスクが大きい。つい先日(6月14日)も、連邦議下院院内総務、共和党のスカリーズ氏が、ワシントンD.C.郊外の野球場で撃たれた。

NPRは、この手の事件が今や「驚きではない」としている。
近時は、脅迫の数も「うんと増えている」と記している。
その中で、共和党の健康保険法案に対する反対を理由とするものも少なくない。
そこでは、アリゾナ州選出の共和党議員マックサリ(Martha McSally)氏やヴァージニア州選出の共和党議員テンネ(Claudia Tenney)氏なども、この2,3ヶ月で「いくつかの脅迫(メールなど)を受けた」と伝えている。
いずれも、先日の健康保険法案に賛成票を投じた人である。

一方、民主党から次のアイオワ州の下院議員に出るつもりでいたウィーバー(Kin Weaver)女史は、選挙に出るのを「降りた!」と公表した。
彼女は、2016年選挙にも出て、キング議員に敗れているが、その時に受けたメール、電話などの脅迫(殺しの脅しを含む)のことを思い出すと、「気が怯んだ」という。

とにかく、今日のアメリカ政治は、「分断が甚だしい」。右と左の分断、対立である。
これが、誰もの口をついて出る言葉である。
ノースダコタ州知事の共和党クレーマー(Kevin Cramer)氏は、5月の演説会での経験を伝えている。
2人が会場から退出させられた後、ある女性が涙ながらに病気の子供の保険の話しをし終えると、また別の男が立上ってきて、ドル紙幣を何枚か鷲掴みにしてクレーマー氏に近付き、「これで女性の病気の子供を何とかしてやれ!」と言いつつポケットにねじ込んだ。
その男が言うには、「その場の雰囲気で、発作的にやってしまった。クレーマー議員が責任逃ればかり言っていたので、段々頭に来てやってしまった…」。

アリゾナ州選出のジフォーヅ(Gabby Giffords)女史は、2011年、演説会で撃たれたが、奇跡的に一命を取り留めた。
今は下院議員としての職務に復帰し、睡眠時間をカットして毎週ワシントンとの間をピストン往復する忙しい生活を送っている。
そのアリゾナ州で、FBIが58歳の男を逮捕した。
やはり地元選出の前記下院議員マックサリ氏に3回も脅迫文言を送っていた人間だ(留守電への吹込みによる)。
その1つでは、「狙いはもうつけてある。お前の眉間だ…」。
中には、彼女の選挙区の地図の上に、ライフル銃の照準を画いたものがある。
男は、FBIに対しこう言ったという。
「彼女のトランプ支持にムカッとした」。

こうした相次ぐ政治家を狙った殺害や、脅迫事件を受けて、今、地元での政治家らの報告会などの会場では、当局による警備が強化されているとも、NPRは記している。
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