半導体(IC)チップ製造と不妊

半導体(IC)チップは、今やスマホを始め多くのデジタル機器に不可欠な部品となっている。
正に産業の、いや文明生活の、「米」である。
その大半を供給しているのが、韓国の2大メーカー、サムソン(Samsung)とSK Hynisだ。

「25年前は、そうではなかった」。
そういうのは、6月15日付のブルームバーグ誌である。
当時1980年代半ばは、たとえばDigital Equipment Corp.などのアメリカのセミコン会社が、その開発に手を付け始めていた。

このICチップの製造は、複雑な配線を基本的にリトグラフィ(石版画)の技法を応用して掘ったり、蓋ったりして行く。
それには基礎となる基板の材質、そこに塗膜される溶剤(photoresist)、更に光や電子線に感応し易いそれらの溶剤と、照射する光や電子線の工程が柱となる。

「アメリカはなぜ、このICチップの製造工程が25年前に海外に行ってしまうことを選んだのか」。
この質問に対する回答は、溶剤にあった。

ブルームバーグ誌は、1984年のある日、マサチューセッツ大学の病理学の助教授がDigital Equipment Corp.社の依頼により研究に取り掛かったとする。
数年間にわたる追跡調査の結果得られたのが、同社で働いていた女子工員(産業全体として女子の占める比率は68%と高い)の不妊率が高く、また仮に妊娠しても流産の率が普通の女子の2倍高い、という事実であった。
更に白血病の例も多く報告された。
つまり、ICチップの製造現場で働く人体に、殊に女子の妊娠、出産に障害となる何らかの物質やプロセスが存在しているとの発見であった。

問題の溶剤は、時代とともにドンドン変化し進歩してきたが、当初は発がん性物質、突然変異性物質などを含んだもの、たとえばエチレン・グリコール・エーテル(EGE)などから誘導されて来たものである。
しかし、詳細は各社の企業秘密である。

韓国でもこの数年は、この問題に病理学的な光が当てられ、そのことを受けて韓国国会でも問題となり、企業も対応せざるを得なくなってきている。
ブルームバーグ誌は更に、それらの溶剤の元となる薬品のメーカーとして、日本の「信越化学」を、また信越化学のアジア地区の専任代理店として、台湾のトプコ(Topco)を挙げている。

早くに、こうした薬害のマイナス面を海外にシフトさせた筈のアメリカであるが、それでも1997年のIBMに対するもの等、10数社に対する関連する訴訟は多く起きていた。
全国で、少なくとも66件の訴訟が起こされ、136の奇形小児その他の再生異常が訴えられている。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント