黒人議員団(Congressional Black Caucus)

トランプ大統領は無論、色々な団体との面談を行っている。
数週間前には合衆国ヒスパニック商工会議所会頭とも会っている。
連邦議会内(主に下院)の現在45人がいる黒人議員団(CBC)とも3月22日に会うことになっている。

NPRは、今年のこの会談につき、アメリカ都市ラジオネットワークのレポーターで、ホワイトハウス記者クラブ(WHCA)のライアン(April Ryan)氏がきっかけを作ったとされているが、それが決定打だったかは不明としている。

NPRは、その件でCBCの副会長のバス(Karen Bass)女史にインタビューして、
「その会談からCBCが最大に期待するものは何か?」、と訊ねている。

以下は、バス女史との問答の粗筋である。


「議題はとても広いが、大統領が選挙中に喋っていて、我々としても惹かれている言葉、
『君らは斬新な試みをして、何か失うものがあるのか?』、を中心に議論したい [1]。
つまり、内容的には色々あるが、中でも、彼が予算の中心に何を据えるか、
第2に、彼が力説している健康保険法(ACA)の廃止によって何が起きるかだ」。


黒人議員団のバス女史は先ず、会談の初めに、初対面のトランプ大統領との間で話を交しつつ、少しづつ信頼関係を築いていくとし、彼に対し広い範囲の議題を提供し、その中から共通の話しを進められるようにする、とした。
その上で特定の議題としては、やはり健康保険の問題、次いで教育問題だとした。
トランプ大統領は2月28日、アメリカに107校ある歴史的に黒人を主とする大学(HBCU)の学長らをホワイトハウスに招き、話を交している [2]。


NPRは、このホワイトハウスでのミーティングについて訊ねた。
その場でトランプ大統領は、「HBCUに優先的に力を入れて行く…」とする大統領令にサインして見せていたが、バス女史は、予算措置を伴っていないことが問題だという。


平均して、白人世帯の70%以下の所得しかない黒人らにとって、子弟を大学に通わせるのは容易ではない。
そのため、7割の黒人学生は、連邦政府による奨学金(いわゆるPell Grant)を受けている。

黒人の高等教育が白人一般に比べると、制度的にも内容的にも遅れていることは否めない。
トランプ大統領によるこの大統領令も、4月に大統領の予算教書で、ある程度、実質的なメリット(予算)がどれほど付けられるか判明しようが、何しろ大統領は一方で、「福祉や教育などの予算は削って、軍事、国土改造などにつぎ込む…」と言っている。
黒人らは唯でさえ貧しいのに、黒人大学も、設備も、先生などのソフトウェアも、白人一般のそれと比べて、大幅に劣っている。



[1] 2016年8月19日の演説で、民主党候補のクリントン氏を激しく攻撃(民主党のやり方が数十年続いたデトロイトが、「全米一の殺人都市になってしまった…」、と指摘)した挙句、「自分は懸命に働いてそれを直す…新しいことをやる…」式のことを黒人らの前で言っていた(abcnews.go.com)。

[2] このHBCUは、アメリカの高等教育法制一般より、30年程遅れて始まった。即ち、リンカーン大統領が南北戦争中に成立させた高等教育法(Morrill Act of 1862)が、各州に土地を付与し、その売買代金などから、州立大学を一挙に披露目させたが、1890年、2nd Morrill ActによりHBCUの基礎がつくられた。
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