法治国家アメリカでの拷問

アメリカ市民自由権連合(ACLU)のことは、シャーロッツヴィルでの騒乱に絡んで前回も出てきた。
そのACLUは、アフガニスタン人などがアメリカで拷問を受けたなどとして、彼らを代表して2015年に起こしていた訴訟が、このほど和解により終結したとしている。

真の原告となった3人のうち1人はタンザニア人で、2003年にアフガニスタンでCIAに捕獲され、アメリカで5年以上CIAの秘密の場所で拘禁された後に、何らの訴追もなく釈放されている。

第2の人は、やはりアフガニスタン人で、拘束された後、CIAのリビアでの秘密の場所で5年間拘禁されていた。
3人目はアフガニスタン人で、パキスタンで2002年10月に拘禁されたが、1カ月後、獄中の寒気などにより死亡している。

上の訴訟で被告となっていたのは、アメリカ合衆国ワシントン州の2人の心理学者である。
彼らはCIAから、ギリギリ合法的な方法で人を心理的に限界まで苦しめ、絶望の淵に追いやれるような残虐な手段を考案するように依頼され、報酬として8千万ドル(約9千億円)を受取っていた。
この契約が、一種の請負契約のようなものであるところから、ACLUは、2人の心理学者を個人の資格で、被告としてその名で訴えている。

心理学者らを被告として、拷問の具体的な手段にまで立ち入って訴えられるようになったのには、2015年に議会上院の諜報委員会が、CIAのやったことの一部始終を明かにさせたことによる。
今、NPRは、その訴訟が解決したことを伝える(8月17日)。

この訴訟で心理学者らは、2人とも訴訟の原因となった事実、即ち3人の原告らが拷問にかけられた事なぞ、一切不知であると主張していた。
只、悪質な攻撃から国を守るために必要だからと国から言われて、そのために「役に立つならば…」と応じたまでであると主張していた。

法廷に出された証拠からは、更にこの件で被告らが必要とする弁護士費用としての5百万ドルに加え、陪審らが評決した損害賠償金についても、すべてCIA(国)が支出することになっていることが示された。
和解が公表された8月17日、原告のアフガニスタン人らは声明を出した。

「我々は、何人も拷問に服することのないよう、確立した責任体制が築かれることを求め、かつCIAがその極秘の記録を公開し、CIAと、それに雇われた心理学者らが、我々の代理人弁護士の質問に答えるべく強制されることを求めた…それは長く、厳しい道だったが、今は、得られた結論に喜んでいる…」。

ACLUの代理人も、このケースを「法の支配が勝利した日」として評価した。
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